今週(2026年8月24日〜28日)の日本市場は、米・カナダ通商交渉問題、米7月PCEデフレーター、米エヌビディア(NVIDIA)決算、そして最終イベントであるパウエルFRB議長のジャクソンホール講演まで、超大型イベントが連日通過する波乱の1週間となりました。
一週間のテクニカル指標の推移、各イベントの実際の市場インパクト、そして週末夜間に発生した相場観の急変について総合的に総括します。
1. 今週(8月24日〜28日)の日経平均終値と主要テクニカル指標推移
今週(2026年8月24日〜28日)の日経平均株価および主要テクニカル指標の確定データ一覧です。
| 日付 | 終値 | MACD | シグナル | ヒストグラム | RSI(14) | 25日移動平均乖離率 | 25日騰落レシオ |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 8/24 (月) | 65,528.09円 | 45.20 | 152.30 | -107.10 | 57.19% | -0.05% | 121.90% |
| 8/25 (火) | 65,856.43円 | -0.03 | 180.93 | -180.96 | 57.63% | +0.34% | 127.10% |
| 8/26 (水) | 66,262.16円 | -3.10 | 183.13 | -186.23 | 49.82% | +0.96% | 125.70% |
| 8/27 (木) | 66,131.98円 | -15.85 | 159.88 | -175.73 | 52.24% | +0.76% | 121.90% |
| 8/28 (金) | 66,405.56円 | -3.84 | 114.89 | -118.73 | 53.91% | +1.18% | 124.90% |
(※ヒストグラム = MACD - シグナル)
📊 テクニカル分析の検証と評価
- MACD・ヒストグラム(弱気の中で減速・改善方向へ):
24日にデッドクロス状態へ突入後、26日〜27日にかけてMACDとシグナルの乖離が最大化し、27日にはMACDが-15.85まで悪化しました。下落トレンドの強まりが懸念されたものの、28日には-3.84へ急速に改善し、ヒストグラムのマイナス幅も-118.73へ急縮小しました。未だゴールデンクロスには至っていないものの、「弱気状態の中で下落の勢いが弱まり、底打ち・改善へ転じ始めている」と評価できます。 - 25日移動平均線(サポートの再確認):
週初24日には乖離率が-0.05%と25日線を割り込み下値警戒感が指摘されましたが、翌日には明確に回復。28日には+1.18%まで浮上し、25日線が強力な下値支持線(サポート)として再確認されました。 - RSIと25日騰落レシオ(指数の平穏と個別銘柄の買われすぎ):
RSIは49%〜57%前後の中立圏で推移し指数自体の過熱感はありません。一方で25日騰落レシオは連日120%〜127%超の過熱水準を維持しました。「市場全般では買いが入っているものの、日経平均そのものは過熱しすぎていない」という歪みを示しています。
2. 今週の4大重要イベントと市場への現実のインパクト
今週相場を動かした4つの重要材料について、実際の値動きに基づき評価を整理しました。
- 米・カナダ通商交渉決裂と対抗関税(8/21〜週初)
- 結果・影響: 北米サプライチェーン乱れの懸念から24日に日経平均を-488円下落させる週初の下押し要因となりました。ただし25日・26日と即座に反発したため、週全体の趨勢を決めるまでの決定打にはなりませんでした。
- 評価: ★★★☆☆(星3:週初の下押し・局所的ショック)
- 米7月PCEデフレーター(8/26 21:30発表)
- 結果・影響: 前年同月比+3.7%(予想3.6%)とインフレの根強さが確認され、直後の夜間市場では米金利上昇に伴い先物が下落。ただし事前予想の範囲内であったため、27日東証市場では早期に悪材料出尽くし(織り込み済み)となりました。
- 評価: ★★★☆☆(星3:上値を抑えるマクロの重し)
- 米エヌビディア(NVIDIA)決算発表(8/26米引け後/8/27日本早朝)
- 結果・影響: 売上高+106%の凄まじい高決算を発表。27日朝方の日本市場では寄り付き+513円の急騰を見せましたが、高期待による利益確定売りに押され終値ではマイナス転換(-130円のより天)。持続力こそ欠いたものの、ハイテク株の崩れを防ぐ強固な防波堤として機能しました。
- 評価: ★★★★☆(星4:瞬間最大風速は今週最大だが持続力は限定的)
- ウォーシュFRB議長・ジャクソンホール講演(8/28 23:00〜)
- 結果・影響: 「インフレ抑制は不十分で必要なら利上げを行う」とするタカ派姿勢を示し、ぬるい利下げ期待を一蹴。米2年債利回り上昇・ドル高円安・米株安(特にNASDAQ・半導体株下落)を引き起こし、夜間の日経平均先物を一時6万5,600円台まで急落させました。
- 評価: ★★★★★(星5:週末の潮流決定打)
3. 今週の相場観の変遷(タイムライン)
今週の相場観は、イベントの通過とテクニカル指標の変化に応じて目まぐるしく変化しました。
- 【8/24(月)】 関税懸念とテクニカル悪化(25日線割れ): 400円超の下落とMACDデッドクロスを受け、「下落トレンド再開か」という強い警戒感が先行。
- 【8/25(火)〜26(水)】 25日線回復による底堅さの確認: 25日線を下値で回復(26日には+0.96%)。ただしMACDはマイナス圏であり「下落は止まったが完全回復ではない中立状態」。
- 【8/27(木)】 NVIDIA好決算と失速(買い手詰まり): 朝方急騰するも維持できずマイナス圏へ沈む。好材料が出ても6万7,000円を破れない上値の重さが確認され、投資家の見送り姿勢が強まる。
- 【8/28(金)日中】 テクニカル底打ち感と買い戻し: MACDヒストグラムのマイナス幅が大幅縮小(-118.73)し下落モメンタムが減速。25日線を維持して大引け(66,405.56円)を迎えた時点では、「上方向への再挑戦も可能な『やや強気』」へ回復。
- 【8/28(金)夜間〜週末】 FRB議長タカ派ショックと相場観の急悪化: 28日大引け時点では未織り込みだったFRB議長発言が直撃。夜間先物が一時6万5,600円台まで売り込まれたことで、日中取引で作られたゴールデンクロス直前の反発シナリオは一旦お預けとなり、「中立〜やや弱気」へ一気に逆戻り。
4. 総括と来週スタート時の第1分岐点
今週の日経平均は、25日移動平均線を下値支持線として死守し、28日時点ではMACDの大幅改善を含めて「テクニカル的な底打ち反発の形」を整えつつありました。
しかし、6万7,000円台を突破する力の不足に加え、週末夜間のFRB議長タカ派発言(米金利上昇・ハイテク株安)によって、週末時点の相場観は再び**「下方向への警戒が必要な調整モード」**へと引き戻されています。
🚨 来週(8月31日〜)スタートの第1分岐点
金曜現物の大引け値(66,405.56円)に対し、週末の夜間先物は一時6万5,600円台まで下落した後、午前6時の最終清算値は6万5,830円で取引を終えています。
週明け8月31日の相場はギャップダウンで始まる可能性が高く、以下の点が最大の焦点となります。
- 6万5,830円前後の夜間先物終値付近から早期に6万6,000円台を奪還できるか
- 夜間の押し目を引きずり、今週下値支持として機能した6万5,500円〜6万5,800円(25日線水準)の防衛・二番底テストへ至るか
今週確認された底堅さと悪材料出尽くし感が、先物安の波及の中でどこまで下値を支えられるかが来週前半の明暗を分けることになります。
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