【相場総括】急落後に806円反発もMACDは弱気継続――米雇用統計を受け来週は金利動向が焦点(8月31日〜9月4日週)

NISA・ideco

8月31日〜9月4日の日経平均は、週初から方向感の乏しい展開となった後、9月2日に1,889円安という大幅急落に見舞われました。

その後も9月3日は小幅続落となりましたが、9月4日には806円高と急反発。最終的には6万5,020円台まで戻して週を終えました。

一方、テクニカル面ではMACDがマイナス圏を大きく拡大しており、今回の反発だけで「下落トレンド終了」と判断するのはまだ早い状況です。

さらに9月4日夜には米8月雇用統計が発表され、非農業部門雇用者数は市場予想を大きく上回る16.2万人増となりました。米長期金利が上昇するなど、来週の日経平均にとっては新たな波乱要因となっています。


1.8月31日〜9月4日の日経平均とテクニカル指標

日付日経平均終値前日比MACDシグナルヒストグラムRSI25日乖離率25日騰落レシオ
8/3166,311.93円−93.63円−1.8568.15−70.0046.32+0.93%126.30%
9/166,215.34円−96.59円−7.9838.64−46.6242.30+0.70%121.10%
9/264,325.64円−1,889.70円−163.43−1.69−161.7429.26−2.29%116.50%
9/364,214.48円−111.16円−292.23−49.23−243.0025.83−2.62%116.80%
9/465,020.94円+806.46円−325.48−90.42−235.0628.15−1.58%115.90%

週初の8月31日は日経平均が6万6,311円で引けましたが、MACDは−1.85とマイナス圏に入り、シグナル68.15を下回っていました。

9月1日にはMACDが−7.98まで低下。翌2日には−163.43、3日には−292.23、4日には−325.48まで悪化しています。

9月4日は大幅反発したものの、MACDそのものはさらに低下しており、テクニカル的には「反発局面」であっても「上昇トレンドへの復帰」とはまだ言いにくい状態です。

RSIも9月3日に25.83まで低下し、4日は28.15。30を下回る水準で推移しているため、短期的な売られ過ぎ感はかなり強くなっています。


2.今週の日経平均を動かした主な材料

★★★★★ 米8月雇用統計

9月4日夜に発表された米8月雇用統計では、非農業部門雇用者数が16.2万人増となりました。市場予想の約5.3万〜5.6万人増を大きく上回り、失業率は4.1%で横ばい、平均時給は前年同月比3.1%増でした。

強い雇用統計を受けて米長期金利が上昇し、FRBの利下げ期待が後退。米10年債利回りは4.77%台まで上昇しました。

ただし、この統計が発表されたのは日本市場の取引終了後だったため、9月4日の日経平均には直接影響していません。

むしろ重要なのは、9月7日以降の日本株が米金利上昇をどう織り込むかです。


★★★★☆ Broadcom決算とAI・半導体株

9月3日の日本市場では、米半導体大手Broadcomの決算が大きな材料となりました。

第3四半期売上高は約296億ドル、調整後EPSは3.32ドルと市場予想を上回り、AI関連売上高も167億ドルに達しました。

しかし、第4四半期売上高見通しが約348億ドルと、市場予想の約354億ドルを下回ったことから、決算後の株価は下落。これが米半導体株全体の重しとなりました。

半導体・AI関連株の影響が大きい日経平均にとっては無視できない材料で、9月3日の上値を抑える要因の一つとなりました。


★★★☆☆ 米8月ISM非製造業景況指数

9月3日夜に発表された米8月ISM非製造業景況指数は55.4と、市場予想の54.1〜54.2を上回りました。前月は54.1でした。

サービス業の景況感は堅調で、米経済の底堅さを示す結果となりましたが、一方ではインフレ圧力や米金利上昇につながる可能性もあります。

この指標は日本市場終了後の発表だったため、9月3日の日経平均への直接的な影響はありません。9月4日の反発を抑える材料になる可能性もありましたが、実際には米長期金利の落ち着きや半導体株の買い戻し、日経平均の売られ過ぎ感が優勢となりました。


★★☆☆☆ 米8月ISM製造業景況指数

9月1日夜に発表されたISM製造業景況指数は54.6。市場予想55.2、前月55.6を下回りました。

ただし50を上回っているため、米製造業は依然として拡大局面です。新規受注の鈍化や投入価格の高さなどが確認されたものの、米景気そのものが急失速したと判断する内容ではありませんでした。


★★☆☆☆ 米ADP雇用統計

9月2日夜に発表されたADP全米雇用リポートでは、民間雇用者数が3.8万人増。市場予想の約4.7万〜4.8万人増を下回りました。

労働市場の減速を示す内容で、FRBの利下げ期待には追い風となる可能性がありましたが、9月3日の日経平均は111円安となりました。

国内金利や円相場、半導体株など他の材料の影響が強く、ADPの弱い結果だけでは日本株を押し上げるには力不足でした。


3.8月31日〜9月4日の相場心理

■8月31日――高値圏で一服

日経平均は93円安の6万6,311円。

高値圏で利益確定売りが出る一方、TOPIXは上昇しており、市場全体が全面的に弱かったわけではありません。

ただし、MACDはマイナス1.85、シグナル68.15と弱気転換の兆候が表面化していました。

■9月1日――下落圧力が強まる

日経平均は96円安。

一時は大きく下げる場面もあり、6万6,000円台を維持したものの、MACDはさらに悪化しました。

■9月2日――相場の雰囲気が一変

最大の転換点となったのが9月2日です。

日経平均は1,889円70銭安。終値は6万4,325円まで急落しました。

国内長期金利の上昇、日銀の追加利上げ観測、米金利、原油・中東情勢、さらに高PER銘柄への利益確定売りなどが重なり、リスク回避が一気に進みました。

■9月3日――売られ過ぎでも戻れず

日経平均は111円安。

一時は6万3,772円80銭まで下落し、8月31日終値から約3.8%下の水準まで売られました。

RSIは25.83まで低下し、短期的にはかなり売られ過ぎの状態でした。

それでもBroadcom決算を受けた半導体株安などが重しとなり、反発力は限定的でした。

■9月4日――806円の急反発

週末の9月4日は一転して806円46銭高。

5日続落に終止符を打ち、6万5,020円94銭まで戻しました。

売られ過ぎによる自律反発に加え、米長期金利の上昇が一服したことや、米国株・AI関連株の持ち直しが支援材料となりました。

ただし、MACDは−325.48と依然として弱く、今回の上昇を本格的なトレンド転換と見るには確認材料が不足しています。


4.今週の総括と来週の見通し

8月31日の6万6,311.93円から9月4日の6万5,020.94円まで、週間では1,290.99円安、約1.95%の下落となりました。

特に9月2日の1,889円安が週全体の流れを大きく変えています。

9月4日の806円高によって一定の下げ止まり感は出ましたが、MACDはマイナス圏で悪化が続いており、現段階では、

「短期的には売られ過ぎによる反発余地があるが、中期的にはまだ調整局面」

と見るのが妥当でしょう。

一方で、RSIが30を下回り、25日移動平均線からの乖離率も−1.58%まで縮小していることから、短期的なリバウンド余地は残されています。

来週の重要ライン

上値の目安

  • 6万5,500円
  • 6万6,000円
  • 6万6,300円前後

まず6万5,500円を明確に突破できるかがポイントです。

さらに6万6,000〜6万6,300円台を回復できれば、今回の急落が一時的な調整だったとの見方が強まります。

下値の目安

  • 6万4,000円
  • 6万3,772円80銭

特に9月3日の安値6万3,772円80銭が重要です。

ここを割り込むと、今回の急落が単なる押し目ではなく、もう一段深い調整に発展する可能性があります。


5.来週最大の焦点は「米金利と日銀」

来週の日経平均を考えるうえで重要なのは、米雇用統計を受けた米長期金利の動きです。

強い雇用統計によってFRBの利下げ期待が後退し、米金利が上昇すれば、高PERのAI・半導体株には再び売り圧力がかかる可能性があります。

同時に、日本国内でも長期金利上昇や日銀の追加利上げ観測が続けば、円高と株価調整が重なりやすくなります。

逆に米金利が落ち着き、半導体株に買い戻しが入れば、RSIの売られ過ぎを利用したリバウンドが6万6,000円台まで続く可能性があります。

したがって来週は、

「6万3,772円を守れるか」

そして、

「6万5,500円→6万6,000円台を回復できるか」

が最大の分岐点です。

現時点では、6万5,000円前後で底固めを試す段階。

ただしMACDがまだ明確な改善を示していないため、焦って強気に転じるよりも、米金利・為替・半導体株の動きを確認しながら慎重に判断したい局面です。

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